2021.02.18 03:18発表の作法――研究報告の場合一方、②自分の研究の全体像、進行状況を報告するの研究報告型の場合は、自分の研究内容をしっかりと説明できるといいですね。全体像を示した上で、今日の発表ではどの部分に焦点をあてているのか、どんな点でアドバイスがほしいのか、どんなことに行き詰っているのか・・・なども発表すると、アドバイスしやすくなります。発表、というと、どうしても「自分が発表する」ことだけに集中しがちですが、研究報告型でもっとも大事なのは、きちんと「批判を受け取る」ことです。社会人院生にありがちなのが「批判されても、ぜんぜん変わらない」という落とし穴です。Photo by Brett Jordan on Unsplash
2021.02.16 00:15発表の作法――文献講読の場合さて、大学院では、授業でも、ゼミでも、「発表」の順番がやってきます。授業登録の際に、「じゃあ、何回目を担当するか決めましょう」と言われたとき、「ひえ~~~!発表なんてできないよ~~~!!」と、ものすごくビビったのを思い出します。発表には2種類あります。ひとつは、ゼミ生で知識を共有するためのもので、 ①文献を読んで、その内容を紹介し、疑問点を出すこれは、みんなでこの文献について議論するための発表です。もうひとつは、自分自身のためのもので、 ②自分の研究の全体像、進行状況を報告するこれは、自分自身の研究がどこに向かっているのか、このまま進めて妥当なのか、などを確認し、批判してもらうことで、ブラッシュアップするための発表です。発表の時に気を付けたいことはそれ...
2021.02.11 05:08大学院ゼミでの発言の作法大学院の授業やゼミでは、議論することが求められます。私は、入学当初、こうしたゼミでは不足している点を指摘したり、批判することが重要だと、勘違いしていました。しかし、ある時、20歳近く年下の先輩が、「ゼミでは、 できるだけ、その論文がどうしたらよくなるか、 を考えながら発言してます。 ただ批判するだけでなく、 ちゃんと案も示せれば、 よりよい論文になると思います」と話すのを聞いて、「ただ批判すればいいと思ってたなんて、 わたしはなんて浅はかだったんだろう!!」と、ものすごく衝撃を受けました。「ただの批判」ではなく「論文をよくするアドバイスとしての批判」が重要なんですね!と、こう書くとかんたんなんですけど、わたしは本当に批判が好きで(;´・ω・)つい「ただ...
2021.01.16 02:13修士論文はなぜ書くの?多くの研究科では、最終的には、「修士論文を書く」ことを目指します。多くの社会人院生は、なんとなく修論を「書かなければいけないもの」と思っているだけで、「なぜ書くのか?」には無頓着です。では、なぜ大学院では修論を書くのでしょうか?
2020.12.03 03:37研究プロセスは、行ったり来たり修士課程は2年間ととても短く、かつ経験しなければならないことが膨大です。そこで、入学後3か月以内に一度、修論提出までの研究プロセスを表にして、紙に書き出してみるといいですね。
2020.05.27 02:54指導教員は「上司」ではないさて、修論を書くには、指導教員の指導を受けなければいけません。指導教員は、もちろんこの道のプロですから、たくさんためになるアドバイスをしてくれる(はず)です。・・・が、これを100%受け入れることが、よい修論を書くことにつながるとは限りません。修論は誰のものかと言えば、それは「修論を書く学生」のものです。執筆や分析の責任を負うのは、指導教教員ではなく、執筆した学生です。つまり、修論の舵を取るのは、執筆する学生なのです。でも、社会人院生は、「教員のいう事は極力取り入れて、対応しなければならない」と思ってしまっているんですね。それで、ふと思いました。「教員は、『上司』じゃないんだから、 自分にとって役に立つアドバイスとそうでないアドバイスを、 分けて考えて...
2020.04.01 07:17ゼミでの作法ー「自分語り」を封印する 修士課程では、入学当初からゼミに所属します。ゼミですることは、おもに次の2つです。・学生が、自分の研究、論文ついて発表する・教員が読みたい本を、輪読するゼミでは、仕事場での作法とは違う、アカデミックの場の作法が求められます。社会人院生がやりがちな失敗のひとつは、学問の知識を用いて議論する場なのに、「自分の経験」に基づいてしゃべってしまう、ということです。ゼミで話をするときに、よって立つべき根拠は、・学問の中で明らかになっていること(先行研究)・自分がフィールドで集めてきたデータをまとめて分析したもの・そうしたデータに基づいて導いた分析結果や自分なりの考え方などです。「自分の経験」が研究の最初の動機であることもあるでしょう。そのこと自体が、悪いのではあり...
2020.03.24 02:06必修!「調査・分析」科目大学院に入学したら、すぐにどの授業をとるのかを決めなければなりません。大学のことも、教授陣のこともよくわからないまま、シラバスや科目名で選ばなければならないので、戸惑うこともたくさんあります。科目をどのように組み合わせるかは、それぞれの研究テーマによって異なりますから、一概に、何を履修すべきかをアドバイスすることはできません。ただし、「調査・分析」の授業だけは違います。それぞれの学問分野で、科学的にオッケーと認められている手法を学ぶことは、修士論文のための調査や分析をする上で、とても重要です。社会人院生にありがちなのが、「自分独自の手法」にこだわってしまうこと。しかし、そうしたこだわりは主観的なもので、社会科学としての妥当性を欠く場合が多いのです。とく...
2020.03.18 02:09ピアネットワークをつくる社会人院生の最初で最大の難関は、仲間をつくること、です。社会人と言っても年代はさまざま。20代なら、大学卒業したての学生(学卒院生)と年齢も近いし、仲良くなりやすいと思います。これが、30代、40代、50代、60代・・・となるにつれて、若い学生とのあいだにいろんな距離が生じてきます。例えば、学問知識の距離=十数年まえの大学での学びは、かなり古くなっています社会人経験の距離=働いた経験がプライドとしてあると、 学卒院生に対してついつい親や上司的な立ち位置に教員との距離=同じ社会人として接してしまい、教えられる側であることを忘れてしまうなどなど。もちろん、社会人院生の良さは、社会経験があることですから、そのこと自体が悪いわけではありません。...
2020.02.27 02:23大学院入学前に心のOSをフォーマットしよう4月から、新たに大学院生活を始める社会人の方、きっと今は、不安と同時に新たな生活への期待感でわくわくしていると思います。30代、40代の方は、「自分のこれまでの経験を活かして、さらなるステップアップをめざそう!」と意気込んでいるかもしれません。・・・しかし!!学問の世界は、仕事の世界と地続きではありません。もちろん、調査をしたり分析をしたりする段階では、社会人としてのスキル、経験、知識が生きてくるでしょう。しかし、それらが生きるのは、学問世界の作法にのっとった「テーマ設定」をした上でのことです。そして、「学問世界のテーマ設定」にたどりつくためには、それまで使ってきた「仕事世界のOS」から、離れる必要があるのです。例えば、テニスの試合に、野球のルールを持...