一方、
②自分の研究の全体像、進行状況を報告する
の研究報告型の場合は、
自分の研究内容をしっかりと説明できるといいですね。
全体像を示した上で、
今日の発表ではどの部分に焦点をあてているのか、
どんな点でアドバイスがほしいのか、
どんなことに行き詰っているのか・・・
なども発表すると、
アドバイスしやすくなります。
発表、というと、
どうしても「自分が発表する」ことだけに集中しがちですが、
研究報告型でもっとも大事なのは、
きちんと「批判を受け取る」ことです。
社会人院生にありがちなのが
「批判されても、ぜんぜん変わらない」
という落とし穴です。
Photo by Brett Jordan on Unsplash
せっかく批判されても、
入学当初からまったく変わらない内容を発表し続けた社会人院生もいました。
それは、逆に言うなら、
まったく成長しなかった、ということです。
職場では叱られることはありますけど、
「批判を受け取る」ことは、実は稀ですよね。
不足の点があっても、
上司がカバーしてくれたりチームで修正したり、
直接「批判される」という経験はあまりないように思います。
また、職場での「批判」は、
相手を責めるようなニュアンスで使われます。
そのため、社会人院生は、
「批判」に対して身構えてしまったり、
耳を閉ざしてしまったりするのかもしれません。
しかし、
学問世界の「批判」は
相手を責めているわけではありません。
デジタル大辞泉には、「批判」の意味を以下のように示しています。
1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。
2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。
3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究しその成立する条件などを明らかにすること。
このうち、職場で使われるのは、2であることが多いでしょう。
一方、学問世界での「批判」は、1を意味しています。
重要なのは「検討を加えて」という点。
研究報告を聞いた人は、
学問的に、論理的に、内容を理解したうえで、
その内容が妥当なのか、
曖昧な部分はどこか、
あるいは、不足している部分はどこか、
を検討します。
そうして、曖昧なら説明を求めるし、
不足しているなら、その部分をどう補うかを
求められます。
これが「批判」ですね。
この「批判」に対応することで、
それまでドットの荒い映像だった研究計画が、
高精細の内容へと変わっていくのですね。
つまり、
「批判」を受け取らなければ、
研究計画、ひいては修士論文を
高精細な内容にすることはできないのです。
職場での批判と、
学問世界の「批判」は違うことを、
理解したうえで、
研究報告のときには、
きちんと「批判を受け取る」姿勢で臨みましょう!
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