先行研究の読み方 その3


社会学など、社会調査を重視する分野で、

先行文献を読むときにおさえておくとよいのが、

それぞれの文献、研究で用いられている

調査の概要です。


例えば、「AがBであることがわかった」という場合でも、

10人に調査したのか、1万人に調査したのか、

あるいは、どの時期に調査したのか、

または、大都市の東京都と、地方都市の小さな市町村では  

人々がおかれている状況はまったく違いますよね。 


そして、

調査の方法が質問紙なのか、インタビューなのかによっても、

なにが聞けていて、

なにが抜け落ちているのか、

は異なってきます。


こうしたさまざまな調査の条件によって、

データの内容の解釈はかわってきます。



そこで、先行文献を読むときは、

その知見を導き出した方法やデータについて

メモしておきましょう。

 

おもなポイントは以下の通りです。 


・調査の時期         
・調査の場所      
・調査対象の人数        
・調査主体、調査の目的:

  誰が、誰に、何のために調査したものか  


さらに、


自分の研究テーマとくらべて   
共通点、ずれている点、異なる点


などもメモしておくと、

あとあと修論を書く時の参考になりますよ。 


研究雑誌に掲載されている論文の多くは、

専門家によって査読されているので、 

こうしたデータの信頼性、妥当性が確かなものが多いと思いますが 

一般書などの調査を使うときには、データの妥当性も確認が必要です。

そんなとき、上記のポイントに気を付けておくといいと思います。


こうしてためた知識の蓄積は、

自分の調査をするときの参考にもなります。


先行研究を読むときは、

必要なこと、感じたことを、

とにかくなんでもメモ、メモ、メモ!!

そのメモが、あなたの研究のガイドになってくれますよ。

Photo by Yusuf Evli on Unsplash

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