先行研究とは その2


先行研究は、

「ほら、自分が発見した知見は、まだ誰も発見してなかったよね!」

ということをアピールするためにもつかいます。


修論は、

「自分が見つけた新しい発見が、

 本当に『新しい』知見であることを証明する」文章です。


調査したり、データを分析したりするなかで、

「あれ?これってまだ誰も指摘してないことじゃない?」

っていう知見が見つかったとしましょう。


でも、自分だけが「新しいよね!!」と言ってるだけでは

「新しい」と認めらません。


「これまでの研究で明らかになってたことは、これとこれ。

 じゃあ、私が見つけた知見は、これまでの研究で明らかになってるか、

 先行研究を確認してみよう。

 ふむふむ、先行研究では、これとこれは指摘してる。

 でも、私が見つけた5つのうち、

 この知見だけは、誰も指摘してない!

 ほら、私が見つけた知見は『新しい』よ!!」


と、読者を納得させて初めて「新しい発見」になるんです。


修論を書くとき、この手続きを理解するのがほんとうに大変でした。

しかも、話を聞くだけでは理解できないものなので、

習得するには on the job training あるのみです。


とはいえ、独学では間違った方向に進んでしまったり、

いつまでもぐるぐる悩んで先に進めなかったりします。

できれば、修士1年のあいだに、


   試しに先行研究のレビューを書いてみる

  →先輩や同級生に読んでもらう

  →内容へのアドバイスをもらう

  →アドバイスをもとに修正する


のサイクルを実行しましょう。

このHPのサポートサービスでもご利用いただけますよ。


書いて修正、書いて修正のくりかえしの中で、

先行研究の意味が腑に落ちたとき、

修論の書き方も理解できると思います。



Photo by Karla Hernandez on Unsplash




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