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大学院に入学すると、
当然のように修士論文を書くための勉強、研究が始まります。
でも、社会人院生は、
「修論とは何を書くものなのか」が
意外に理解できていません。
そもそも修論ってどんなもので、レポートとどう違うのか?
答えはズバリ、「新しい発見があること」です。
レポートは、これまでの研究者が調べてわかっていることをまとめた上で、
自分の意見を書きますよね。
その意見は、あくまでもレポートとして調べた中からわかったことであって、
必ずしも自分が調査した結果から導くのではありません。
一方、修論で求められるのは、以下のプロセスです。
A「これまでの研究者が調べていないこと」を見つけ、
B「自分で調査して」
C「新しく発見したこと」を示す。
これだけ書くと、すっごくかんたんな気がしますが、
まず、A「これまでの研究者が調べていないこと」を見つけるのが難しい!!
では、A「これまでの研究者が調べていないこと」を見つけるためにはどうすればいいか?
「これまで研究されてない」ってことを示すためには、
「これまで研究されてきたこと」を示さなきゃいけないんです。
同様に、C「新しく発見したこと」も、
それが「新しい発見」であることを示すためには、
「これまでの研究で明らかにされてきたこと」を示して、
「ほら、私が見つけたこの結果はこれまでになかったよね」
って、読み手を説得しないといけないのです。
つまり修論は、
「これまでの研究で明らかにされてきたことを示した上で、
こういう疑問をもって調査されたことってないよね?
じゃあ、こういう疑問に対して、私はこういう調査をして調べてみるね」
って調査した結果から、
「おお、こんな結果が出ましたー!
これって、これまでの研究で明らかにされてきたことと違うよね?!
やった、新しい発見だ――!!」
っていうところまでを、
多くの研究者(読み手)に納得してもらえるよう、
ちゃんと論理的に示したものなのです。
さて、ここまで太字にしてきた
「これまで研究されてきたこと、明らかにされてきたこと」を、
学問の世界では「先行研究」といいます。
社会人院生が陥りやすいワナの一つが、この「先行研究」問題です。
そこで、次回は、この「先行研究」問題についてお話ししたいと思います。
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