いざ調査! その2


調査対象者が協力してくれることになったら、

次は、以下のような準備をし、動くことになります。


(3)依頼する

 

 個人的なツテを頼るにしても、

 調査を依頼する場合には、

 まず、

 調査をお願いする依頼文書を作成しましょう。

 

 依頼文書に書くべき内容は、以下の通りです。

 

  ・自己紹介と研究の概要

  ・なぜ調査を依頼するのか

  ・この研究の社会的な意義はなにか


 調査に協力してもらうことは、

 相手に時間を割いてもらうことでもあります。

 ただ「自分が研究したいから」という

 自己満足ではなく、

 社会になんらかの貢献をしたいということを

 示しましょう。


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(4)いざ調査!

 

 はじめて、対象となる方にお会いしたり、団体に伺うとき、

 社会調査の倫理綱領にしたがって調査することを

 伝えましょう。


 また、

 倫理的配慮に関する承諾書を

 用意しておきましょう。

 承諾書に書く内容は以下のようなものが考えられます。

 

  ・調査対象者が特定されないよう配慮すること

  ・得られたデータを論文作成以外に流用しないこと

  ・書き上げた論文を確認したいかどうか

  ・学会などで発表する際に確認したいか

  ・対象者の承諾のサイン、承諾した日付

 

 などです。


 ※なお、詳しい調査については、

  『初学者のための質的研究 26の教え』中嶌洋、医学書院

  をお勧めします。

  わかりやすいのに、必要な情報が網羅されています。


 

(5)調査の場所


 これはインタビュー調査の場合ですが、

 お話をきかせてもらう場所選びは、

 意外に重要です。

 

 できれば下見をして、

 音の様子、隣の席との間隔を確認するといいですね。

 

 インタビューでは内容を録音しますが、

 耳には聞こえなくても、

 録音機器はさまざまな雑音を拾います。

 

 スターバックスやドトールでは、

 豆を挽く音が意外にうるさく、

 会話では支障がないのに、

 録音では雑音にかき消されていることがありました。

 そうしたカフェよりは、

 昔風の喫茶店の方が使いやすいように思います。

 

 また、会社の会議室だと、

 プライベートなことや、

 会社に対するネガティブなことについては、

 口が重くなったりもします。

 なにを話してもらいたいかによって、

 話し手が安心して話せる場所を選ぶことが

 大切です。

  

 そして最後に、

 社会人の方は、

 仕事でも名刺整理などしていて、必要ないとは思いますが

 老婆心ながら、

 まとめておくとよい情報を。

 


(6)対象者の名簿を作成する

 

 調査をするときは、次から次へと人に会うなど、

 慌ただしくすすんでいきます。

 連絡先なども、あちこちに記録していたりして

 あとあと連絡しようと思ったときに、

 「あれ?どこにメモしたっけ??」

 という事態が生じたりします。


 できれば、対象者に会うたびに、

 連絡先などを、一覧表にまとめるように

 しておきましょう。

 書いた内容の確認をお願いするときにも、

 慌てずにすみますよ。


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