修士課程は2年間ととても短く、
かつ経験しなければならないことが膨大です。
そこで、入学後3か月以内に一度、
修論提出までの研究プロセスを表にして、
紙に書き出してみるといいですね。
とはいえ、研究プロセスはまっすぐな一本道ではありません。
修士論文は、
A「先行研究から知識を得る」
B「調査する」
C「構想を練る」
D「論文を書く」
というそれぞれのフェーズを、
行ったり来たりしながら、完成させていくものです。
入学後は、A「先行研究から知識を得る」の比重が高いと思いますが、
徐々に、B「調査する」へと軸を移していくことになるでしょう。
このフェーズは、
たくさんの断片=パズルのピースを集めるようなイメージですね。
と同時に、例えば中間発表やゼミ発表などを目指して
C「構想を練る」ことも忘れてはいけません。
論文全体の絵を意識しながら、
調査で得たデータがどんなピースなのか、
どこにはまるのかを考える上で、
C「構想を練る」フェーズはとても重要です。
この作業を経て、調査を微修正したり、
新しいアイデアに気づくこともあります。
これらの作業をこなしながら、
書けるところから書いていく
D「論文を書く」のフェーズに入っていきます。
不思議なもので、頭でぐるぐる考えているときよりも、
小さなパーツでもいいから書き始めると、
書くことに刺激されて、どんどんアイデアが浮かんだり、
違う見方に気がついたりするのです。
それらをB「調査する」やC「構想を練る」に反映させることで、
パズルの全体像もピースも、
輪郭がはっきりしてきます。
あるいは、この時点でもう一度
A「先行研究の知識を調べる」ことで、
自分の主張がよりソリッドになったりもします。
こんなふうに、研究のプロセスでは、
4つのフェーズを行ったり来たりすることで、
論文の精度が上がっていくのです。
当初の修論構想や想定していた完成像に拘るのではなく、
データに寄り添いながら、
随時、柔軟に見直しをしていきましょう。
もちろん、どうしても自分にとって重要な部分はあると思います。
「意味チェックと意義チェック」でお伝えしたように、
自分にとって重要な意味を手放せということではありません。
自分にとって意味のあるテーマを、
アップデートしていくことが必要なのです。
計画性をもって物事をすすめることは、
社会人にとっては、仕事の延長線上のようなもの。
学生に勝る(数少ない)有利な点です!
ぜひ、行ったり来たりを楽しみながら、
プロセス表を地図代わりに、
修論完成というゴールをめざしましょう。
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