2021.10.07 02:48修論を校正する修論を完成間近になったら、やはりきちんと校正をするとよいと思います。研究科によっては、口頭試問の後に、指摘された部分を修正できる場合もありますが、多くは、提出時のまま製本し保管されるようです。友人の研究者は、校正する時間がとれないまま提出した内容で製本され、「たくさん誤字があったのが、 そのままずっと保管されて、後輩に見られてる~(´;ω;`)ウゥゥ」と後悔していました。そこで、提出1~2週間前に、先輩や後輩、学外の友人、家族など、校正作業が得意そうな人に頼むようにしましょう。わたしは、高校時代の友人2人に手伝ってもらいました。(ほんとうにありがとう~~!!)そうすると、自分では気づかなかった誤字や、同じ単語を、ある場所ではひらがなにし、ある場所では感...
2021.04.04 00:22問いと仮説と結論と その2では、どのように「問い」は育つのでしょうか?まず研究を始める前に素朴な疑問として感じている「問い」がありますよね、例えば、「どうしたら女性は 育児しながら働き続けられるの?」と漠然と思っていたりします。ただし、この問いは未来に向いているので、学問的には、このままを「問い」として提示することは難しいと思います。そうした疑問をもちながら、先行研究を検討しているなかで、「正社員だと制度は整っているのに、退職する女性が多いらしい」ということがわかってくると、「なぜ女性は制度を利用しないで辞めるのか?」と「問い」は変化してきます。こうした「問い」に対する仮の答えが「仮説」です。「女性が利用しにくい制度だからだ」と、ひとまず答えを仮置きしておいて、この仮説を証明で...
2021.04.02 23:40問いと仮説と結論と その1これまで何度か「問い」について、お伝えしてきました。調査を始める前に、いったん「問い」を立てますが、この「問い」は不変のものではありません。実は、「問い」もまた、調査や執筆のプロセスを経て、育っていくものなのです。アカデミックの世界では、問いー仮説ー結論のつながりが重要だ、ということはもう意識せず空気を吸っているようなもので、多くの教員にとってはあたりまえすぎて、きちんと言語化できていないことが多いように思います。私自身、 問いー仮説ー結論 のつながりの重要性が腑に落ちたのは、2度目の修論を書いているときでした。アカデミック世界の常識がわからない社会人院生は、「問い」が重要なことはわかるけれども、なぜ重要なのか、どう使えばいいのかがわからず、教えてもら...
2020.10.22 23:28意味チェックと意義チェック研究生活の中でもっとも苦しい坂道のひとつは、研究する内容(研究テーマ、問い、対象など)を絞ることだと思います。問題意識を強くもって入学する社会人の方は、「研究内容はもう決まってる」と思うでしょう。とはいえ、研究テーマは、試行錯誤の中で育っていくものです。ですから、研究の過程で、何度もその研究テーマ、研究対象、問いに対して、「なぜ、自分はこれを研究したいのか?」を問い直し、ことばにする作業をしておきましょう。「ガイドとなる分析本をもとう」で紹介した本の著者である水野節夫先生は、研究内容を、2つの視点からチェックすることをおすすめされています。そのうちのひとつが、①意味チェックです。これは、自分にとって、この研究がどんな意味をもつのか、という視点で行います...