伝える技術 文章編 その3

さて、前回はシンプルに文を書くためのルールをお伝えしましたが、

シンプルに書くことが、なぜ修士論文に必要なのでしょうか。


理由は簡単。

シンプルに書くことが、論理的な文章を生むからです。


文を書くルールは、


  ①1文には1つの意味だけ


  ②主語を意識する

  ③平易な表現をつかう


でした。


例えば、〈①1つの文に1つの意味だけ〉で書こうとすると、

書く内容を丁寧に分解する必要があります。

例えば、この文を見てみましょう。

 A「朝起きて、朝ご飯を子供に食べさせて、歯磨きして、着替えて、電車に乗って会社に行った」


どうでしょう?いくつに分解できますか?

試しに、1文1意味で書きなおしてみてください。


 B「私は、朝7時に起きた。

   その後、私は朝ご飯を子供に食べさせた。

   それから、家族みんなが歯を磨いた。

   歯磨きの後すぐに、私は洋服に着替えた。

   私は、通勤のために電車に乗った。

   会社に、9時に到着した。」


1文1意味にすると、まず、文を短く切ることになります。

そうすると、前の文とのつながりを意識して、

下線部のように「接続詞」を使うことが多くなります。


文章の論理性は、この「接続詞」が要です。

因果関係を示すのか、相関関係を示すのか、

時間的な流れなのか、並列的な比較なのか、

それらは、文の内容だけでなく「接続詞」が示してくれるのです。


また、〈②主語を意識する〉ことで、状況を具体的に伝えることができます。

Aでは、歯磨きしたのはたぶん「私」だろうと想像はできますが、

明確な主語はありません。

だから、人によっては、「誰が??」と思ってしまうでしょう。


一方、Bでは、主語を意識しているので(ややくどいですが)

「誰がなにをしたか」が明確に示されていますね。

そうすると、読み手と書き手の理解のずれを、なるべくなくすことができます。


さらに〈③平易な表現をつかう〉ことで、

読み手と書き手の理解のずれをさらに少なくしていきましょう。

難しい抽象的なことばを使うと、なんだかわかったような気になるけれども、

実は自分自身がかみ砕いて理解していない、ということがあります。


一度書いた文章を、

「中学生や高校生が読んで、理解してくれるかな?」と
立ち止まって、捉えなおしてみるといいと思います。


自分が言いたいことをかみ砕くとどういうことだろう?と、

自分の考えていることに真摯に向き合い、

読み手にいかに親切に伝えることができるか、を考え続けることが

論理的な文章を書く上でとても大事なのです。


とはいえ、独学でこうした文章の書き方を身につけるのはたいへんです。

なにより、(わたしが約10年かけて、このルールにたどりついたように('Д'))

すっごく時間がかかります。


読み手に伝わりやすい文を書くためには、

他人に読んでもらうのが一番。

本サイトの修士論文サポートサービスでは、

こうした文章の添削なども行います。


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