4月から、新たに大学院生活を始める社会人の方、
きっと今は、不安と同時に新たな生活への期待感でわくわくしていると思います。
30代、40代の方は、
「自分のこれまでの経験を活かして、さらなるステップアップをめざそう!」
と意気込んでいるかもしれません。
・・・しかし!!
学問の世界は、仕事の世界と地続きではありません。
もちろん、調査をしたり分析をしたりする段階では、
社会人としてのスキル、経験、知識が生きてくるでしょう。
しかし、それらが生きるのは、
学問世界の作法にのっとった「テーマ設定」
をした上でのことです。
そして、「学問世界のテーマ設定」にたどりつくためには、
それまで使ってきた「仕事世界のOS」から、離れる必要があるのです。
例えば、テニスの試合に、野球のルールを持ち込む人はいませんよね?
それと同じで、「学問世界」に「仕事世界」のやり方をもちこんでも意味はないのです。
わたしは、2度の大学院生活で、
「仕事世界」のやり方、考え方から離れられず、
「学問世界」のことを学ばないまま修了していく社会人院生を
たくさん見てきました。
入学して最初のゼミに参加した時、
これまでの人生や仕事で積み上げてきた知識を使えないんだ!!と気づいたときは、
丸裸で放り出されたように、頼りなく恥ずかしく、
「でも、わたしはこんなに仕事で成果だしてきたんだよ!」
と変な承認欲求に駆られていました。
でも、それは「仕事世界」のOSのままでいたから。
大学院に入ったら、30代だろうが40代だろうが、どんなにすばらしい経歴であろうが、
「仕事世界」のOSをフォーマットしましょう。
そうして、新たに
「学問世界」のOSをインストールしていくのです。
PCのように、一瞬で入れ替えられればいいけど、
さすがに人間なのでそれはできません。
大学院の授業で、ゼミで、院生仲間との会話のなかで、
少しずつ「学問世界」のOSへとチェンジしていきましょう。
4月からあなたは、研究という未知の学問世界に足を踏み出す初心者です。
先生や仲間たちから、たくさんの知恵と知識を学ぶ姿勢をお忘れなく!
次回は、「仕事世界」と「学問世界」は本質的にどう違うのか?について
考えてみたいと思います。
Photo by Daiga Ellaby on Unsplash
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