社会人院生は、
問題意識をはっきりと持ちながらも、
対象を漠然と考えていることがあります。
例えば、
「女性がおかれているつらい状況をなんとかしたい!」
と思ったとしても、
「女性」
って、いろんな人がいますよね?
年齢はいくつぐらいなのか、
既婚なのか独身なのか、
学歴はどうか、
どこに住んでいるのか、
など、
「女性」といっても、
その属性はさまざまです。
また、
どんな「つらさ」に焦点をあてるのかによっても
研究の進め方はかわってきます。
育児と仕事の両立なのか、
DVなのか、
学校での隠れたカリキュラムや、
職場での服装規範など、
さまざまな切り口があります。
具体的に考えるヒントのひとつは、
「調査を設計してみる」ことです。
だれに調査をするのか、
どんなことを尋ねるのか、
などなど、
これらの属性や、5W1Hに基づいた表やシートを作成し、
学生に記入してもらいましょう。
教員は、学生の記入したシートを確認し、
「こういう人に聞いてみる方法もあるよ」
「このことも視野に入れる必要があるよね」
と、
できるだけ対象を狭めながらも、
学生が見落としている部分に目を向けるような
声かけをするといいですね。
さらに、
ペアワークでお互いに質問し合うのもいいですね。
こうした作業は、
学生個人が自分でこなすべきことだ、
と思われるかもしれません。
でも、
視野が狭い状態のままでは、
学生も先に進めません。
入学後の早い段階で、
こうして問題意識を具体化する訓練を経験し、
自力で視野を広げるためのやり方を学んでおくことで、
研究において
「具体的であることの重要性」
を共通理解として共有でき、
その後の指導がスムーズになると思います。
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