「ダメ文献」の見分け方


これまで何度か、

研究では、先行研究を調べることが必要だよ、

とお伝えしてきました。

この先行研究とは、これまで書かれてきた多くの文献になります。


ところで、

参考にする文献にも、いろんな種類があって、

修士論文の参考にできるもの、できないものがある

って、知ってますか?


あるいは、知っているとしても

その見分け方はわかりますか?


社会人の研究初心者がやりがちなイタイ経験の一つが、

ダメ文献を信奉してしまう、

というものです。


では、ダメ文献とはどんなものか?


それは、


 A「筆者の主観だけで書かれている」本、

 B「社会科学的な手続きを経て

   集められたデータを使っていない」本、

   いいかえるなら

  「主張の根拠がいい加減なデータである」本、


です。


もちろん、参考にする文脈によっては、

上記のような本も参考とすべき文献になることがありますが、

たいていの場合、

先行研究にはなりません。


とはいえ、初心者には、

上記A、Bの条件がクリアなのかどうかを確認するのも難しいですよね。


そこで、見分け方のひとつとして、

本の中に、

「どんな対象者に、どんな調査方法で、何名に調査したか」

 がきちんと書かれているかどうか、

を確認してみましょう。


また、

筆者が大学の教員か、そうでないか、

あるいは、

博士課程、修士課程を修了しているか、していないか、

もひとつの目安になると思います。


ただし、

筆者が大学教員でも、

軽い読み物として書いている場合もありますから、

やはり調査手続きの部分をしっかり確認することが重要です。


ひるがえって考えてみると、

先行研究となりうるのは、

きちんとした社会科学の手続きを経て調査された

上で、主張されているもの、

ということになります。


修論を書き終わったとき、

「ダメ文献」を見分けられるようになっていたら、

リテラシー能力が成長した証です✨


その日は必ず来ますから、

焦らず、たくさんの文献に触れていきましょう!


Photo by Ben White on Unsplash

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